RAPID Ⅱ

Sneaker

幌に染み込んだオイルステイン。ボディペイントに入ったかすかなクラック。淡く変色した七宝金具。擦り減ったタイヤトレッド。そして、薄暗いガレージの中に漂うガソリンの匂い。完璧なコンディションのオート・ディテールから、美しいロマンティシズムが生まれるわけではない。持ち主の歴史と、刻み込まれた微細なかすり傷が、この時代に欠けた情緒とインスピレーションを放っている。我々はそれらの痕跡から “ムードのかけら” をかぎ取って、時にプロダクトへと落とし込むのである。
懐古的に変貌した《RAPID Ⅱ》は、使い込まれたクラシック・モータースポーツの光景に正しく佇む靴でありたい。
深みのあるざらざらした光彩を放ち、指先にほんのりと感じるオイルタッチが特徴的な《HISTORIC OIL LEATHER》は、退廃的な50年代クラシックカー・シーンのカラーパレットより影響を受けて染色をした。最上級の原皮特有のしっとりとした柔らかさに加え、手編みのチェッカーフラッグ・モティーフ、そして随所に配された厚みのあるスポンジパッドが足全体を優しく包み込む。また経年変化後の色を想定して染色したライニングレザーである《MOTOR HIDE VINTAGE》も、滑らかな足触りだけでなく、持ち主の “ライフスタイルの記録” を美しく演出する飴色に仕上げた。その佇まいは控えめではあるが、穏やかな品に溢れている。
しかしながら、RAPID Ⅱはこれで完成ではない。履きこみ、皺や小さなアタリ傷にダビンオイルを塗りこみ、ニットの紐がしなり、表革の色あいにうっすらと層が出始めた頃。プロダクトの奥に込められた “退廃的なラグジュアリー” が姿を現わすのである。

CRAFTSMAN SHIP

COLOR LINE UP